リスク選好の意味とは?あなたはリスク回避的・リスク中立的・リスク愛好的のどれ?

合理的で効率的なリスク・リターンを得るためには、リスク選好の考え方を知らなければなりません。シンプルな考え方です。

現在100万円の投資をすると、1年後に

  1. 必ず5万円を受け取れる(年率5%の預金)
  2. 50%の確率で10万円受け取れるが、残り50%の確率で何も受け取れない

という、AもBも期待リターンは同じ5万円だけど、リスクの異なる2つの投資先があるとき、投資家はどちらの投資先に決定するのでしょうか?


リスク選好(Risk preferences)とは?

まさに、この投資先の決定が投資家のリスク選好(Risk preferences)に依存することになります。

  • リスク回避的(Risk averse behavior)

BよりもAを好む場合、その投資家はリスク回避的な投資家となります。この投資家は期待リターンが同じならばリスクの小さい投資先を好んで決定します。

  • リスク中立的(Risk indifferent behavior)

AもBも無差別(優劣がない)と考える場合、その投資家はリスク中立的な投資家となります。この投資家は期待リターンにだけ興味を持ち、リスクの大小には関心がないのです。AとBのように、期待リターンが同じならば、どちらか一方が好ましいとは考えません。

  • リスク愛好的(Risk seeking behavior)

AよりもBを好む場合、その投資家はリスク愛好的な投資家となります。この投資家は一発当たれば大きく稼げる投資先を好んで決定します。期待リターンの乖離幅(ボラティリティ)が大きいことを好むということ。

一般的に、投資家はリスク回避的をとると考えられています。リスク回避的な投資家は、次の行動をします。

  • リターンが同じならば、リスクの小さい投資先を好んで決定し、リスクが同じならば、期待リターンの大きな投資先を好んで決定します。
  • リスクが大きな投資先ほど、より大きな期待リターンを要求します。したがって、リスクが低い投資先とリスクが高い投資先がある場合、リスクが高い投資先に対してはリスクが低い投資先よりも、高い期待リターンを要求します。これがリスクプレミアム(risk premium)と呼ばれるものです。

確実性等価(Certainly equivalent)とは?

リスク選好に関係して、確実性等価(Certainly equivalent)という考え方があります。確実性等価とは、「不確実なリターンと同じ効用や満足を得る確実なリターン」をいいます。

たとえば、あなたが宝くじを持っているとします。この宝くじは20%の確率でアタリ(100万円がもらえる)、残りの80%の確率でハズレ(何ももらえない)ます。よって、この宝くじの期待リターンは、20万円(100万円×20%+0円×80%)です。

今、あなたは、この宝くじを友人に売却できるとします。つまり、アタリになるかハズレになるか分からない宝くじ(不確実なリターン)を、友人に売却(確実なリターン)できるとします。このとき、あなたはいくらで売却するなら、宝くじを持ち続けるのと同じ満足が得られると考えますか?

まさに、これがリスク選好によって異なります。

期待リターンと同額の、20万円と考えた人はリスク中立的です。リスク中立的な人は、得られるリターンにのみ関心がありリスクの程度は問わないからです。

また、期待リターンである20万円より小さい、15万円と考えた人はリスク回避的です。リスク回避的な人は、たとえ受け取る金額が小さくなっても、リスクから逃れようとするからです。

最後に、期待リターンである20万円より大きい、30万円と考えた人はリスク愛好的です。リスク愛好的な人は、100万円になるかもしれない目の前のチャンスを手放す気になれないからです。

このように、不確実なリターンと確実なリターンの大小関係から、その人のリスク選好を示すことができます。

不確実なリターン = 確実なリターン・・・リスク中立的な投資家

不確実なリターン < 確実なリターン・・・リスク回避的な投資家

不確実なリターン > 確実なリターン・・・リスク愛好的な投資家

合理的で効率的なリスク選好とは?

リスク回避的な人が合理的で効率的な行動をとっているように見えますが、これはその人のリスク許容度によって変わってきます。

リスク選好は絶対的な正解があるのではなく、投資家の置かれている状況で変わってきます。結局は、どのようなリスクを選好しているかを、正しく認識していることが重要だと思います。