資産運用でポートフォリオ構築に掛かるコストを考えるのは重要な視点

合理的で効率的な資産運用をするには、なるべき運用資金をそのままポートフォリオに流入していきたいと考えると思います。

しかし、投資家は証券会社などの仲介業者を介さなければ金融マーケットには直接アクセスできません。資産運用のリターンにおけるコストはは重要な要素となります。

資産運用におけるコストは長期的な視点で考える必要があります。


人に任せるとはコストを掛けること

資産運用に限ったことではないですが、資本主義社会では、何かを人に頼む(アウトソーシング)ことは、コストが掛かることになります。

僕は投資信託やETFを活用したインデックス投資をポートフォリオ構築の中心にすることが原理原則だと考えています。

インデックス投資も、

指数や指標に連動するインデックスファンドを組成してもらい、かつそのファンドを維持してもらえるから、そのファンドで資産運用できる

ということで、当然コストが掛かります。

ETFであれば、年率で0.05〜1.5%程度。投資信託であれば、0.5〜2%程度の信託報酬です。

ETFも投資信託も組成するファンドの複雑さで信託報酬が変わりますが、詳細な内訳は公表されていません。

これはETFや投資信託を保有し続ける間は継続的に掛かるコストであり、購入時と売却時には別途費用がかかることがあります。

日経平均、TOPIXに連動するファンドや、MSCI ACWI ETF(ACWI)などのコストは低いです。ACWIの信託報酬は年率0.34%(2017年)です。

信託報酬はファンドのリターンの成果に限らずかかるコストなので、ACWIで言えば、年間のリターンが0.34%を超過しないとプラスリターンになりません。

2017年10月現在の直近1年のACWIのリターンは、約18.8%なのでコストを大きく上回るプラスとなっています。

ETFや投資信託を利用するには、相当のコストが掛かるのです。

ETFや投資信託を利用しないで資産運用するコスト

あなたがETFや投資信託により構築したポートフォリにかかる信託報酬が、年利1%とだったとします。

サラリーマンがインデックス投資の資産運用で、運用資金を定期的に積立ながら、合理的で効率的にコツコツと資産を積み上げていけば、ポートフォリオの規模が数千万円に達するのはそれほど遠くないと思います。

例えば、2,000万円のポートフォリオの年間信託報酬が1%であれば、

2,000万円×1%=20万円

となります。あなたがこのポートフォリを保有しているだけで毎年かかるコストです。

3,000万円であれば、30万円。5,000万円であれば、50万円。。。

この運用コストは保有残高に一定に掛かるので、保有残高が増えればコストは基本的には増えることになります(一部の金融商品では残高によって信託報酬比率が下がるものもあります。)。

そこで、この信託報酬というコストを減らせないかと考えるわけです。コストは低ければ低いほどいいに決まっているのですから、単純にこの数十万円を減らせないかと考えるわけです。

ここで、個別銘柄投資を検討することになります。

なぜ、個別銘柄投資を検討するかというと、ETFや投資信託で資産運用するのではないため、信託報酬という保有コストが掛からないからです。

ここでインデックス投資に近い形で個別銘柄投資ができないかと考えるのですが、インデックス銘柄の構成を個別銘柄で構築すると莫大な売買コストが掛かり本末転倒な資産運用となります。

そもそも個別銘柄の組み合わせを低コストできれば、インデックス銘柄のETFや投資信託はまったく売れないです。

一方で、ほとんどのインデックス銘柄のETFや投信信託は構成比率を見ることができます。

そこで、インデックス銘柄に近い構成を売買コストを計算して個別銘柄で構築することができれば、個別銘柄でもインデックス投資をすることができなくはないです。

なお、個別銘柄投資をする時は、インデックス銘柄を売却ではなく積立購入によるポートフォリオ構築をすることです。

銘柄の入れ替えでのポートフォリオ構築は、売却コストが掛かるうえに、含み益の確定をしてしまうと税金というコストまで掛かります。

個別銘柄の場合は、多少の購入コストが掛かっても保有コストが掛からないため長期運用で購入コストが薄まります。

ただし、個別銘柄を活用した資産運用は、インデックス銘柄での資産運用とは異なり格段にモニタリング(リスク管理)の技術が必要になります。ある意味で、このコストを自分が請け負うことでコスト削減ができるとも考えられます。

資産運用におけるコストにどう向き合うか?

ここで知っておくべきなのは、基本のポートフォリオ構築はインデックス銘柄であるが、一部を個別銘柄で資産運用することでコストを抑えられるということです。

個別銘柄での資産運用は、銘柄選択効果によりポートフォリオの期待リターンがインデックス銘柄での資産運用よりも上昇する可能性があります。ただし、リスク量はほぼ確実に上がることになります。

コストを低く抑えたいがために、リスク量を上げるのは本末転倒です。ただし、経験や知識を得てきたり、それなりの資産運用額になればリスク許容度も上がるはずです。

コスト、リスク、リターンの関係はその都度見直すことが重要です。

<参考:モーニングスターのHP