ここでのレバレッジとは、経営レバレッジ(Degree of Operating Leverage)と財務レバレッジ(Degree of Financial Leverage)を指します。

この2つのレバレッジは、経営リスクと財務リスクを測る指標となります。

実際に数値を用いて理解すれば簡単です。

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経営レバレッジ(Degree of Operating Leverage)

経営レバレッジ(DOL)とは、固定費の利用度を示す指標です。製造業で言えば機械、工場等です。この固定費の利用度合いによって営業利益の何倍が貢献利益となるかを把握する指標です。

また、損益計算書(P/L)の売上高の増減と営業利益の増減から経営レバレッジ(DOL)を把握することもできます。

本業から生まれる営業利益の感応度を計測して、企業のビジネスリスクを把握することになります。

経営レバレッジ(DOL)

  • 貢献利益/営業利益

貢献利益 = 売上高 − 変動費

営業利益を支払利息前・税引前利益 (EBIT)に置き換える時もあります。

サンプルデータを使って計算してみます(単位:百万円)。

販売数 100個 250個 500個 750個 1,000個
売上高 100 250 500 750 1,000
変動費 (80) (200) (400) (600) (800)
貢献利益 20 50 100 150 200
固定費 (100) (100) (100) (100) (100)
営業利益 (80) (50) (0) (50) (100)
経営レバレッジ -0.25 -1.00 3.00 2.00

経営レバレッジ(DOL)は、貢献利益が増えるほど固定費の割合が減ることにより、本業である営業利益への影響が小さくなります。逆に言えば、経営レバレッジ(DOL)が大きいとは営業利益に対する固定費の割合が大きいと言えます。

ただし、この式では企業内部の財務部門では変動費と固定費を把握しているので可能ですが、外部の投資家からは計算できませんので、次の式を利用します。

経営レバレッジ(DOL)

  • 営業利益の増減(%)/売上高の増減(%)

営業利益を支払利息前・税引前利益 (EBIT)に置き換える時もあります。

サンプルデータを使って計算してみます(単位:百万円)。

 当年度 昨年度
 売上高 1,800 1,400
売上原価 (1,450) (1,170)
売上総利益 350 230
販売費及び一般管理費 (160) (80)
 営業利益 190 150
その他収益・費用 (40) (25)
支払利息前・税引前利益  150 125
支払利息 (15) (10)
税引前利益 135 115
法人税率(40%) (54) (46)
当期純利益 81 69

今回は、営業利益ではなくEBITに置き換えて計算します。

EBITの増減(%) = (150 − 125)/125 = 20.0%
売上高の増減(%) = (1,800 − 1,400)/1,400 = 28.6%

よって、経営レバレッジ(DOL) = 20.0%/28.6% = 0.7

これは、売上高が100万円変動するとEBITが70万円変動することを意味します。

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財務レバレッジ(Degree of Financial Leverage)

財務レバレッジ(DFL)とは、負債の利用度を示す指標です。この負債の利用度合いによって税引前利益の何倍が支払利息前・税引前利益となるかを把握する指標です。

また、当期純利益の増減とEBITの増減から財務レバレッジ(DFL)を把握することもできます。

EBITの感応度を計測して、企業のファイナンシャルリスクを把握することになります。

財務レバレッジ(DFL)

  • 支払利息前・税引前利益(EBIT)/税引前利益(EBT)

EBIT:支払利息前・税引前利益(Earning Before Interest and Taxes)
EBT :税引前利益(Earning Before Taxes)

サンプルデータを使って計算してみます(単位:百万円)。

 当年度 昨年度
 売上高 1,800 1,400
売上原価 (1,450) (1,170)
売上総利益 350 230
販売費及び一般管理費 (160) (80)
 営業利益 190 150
その他収益・費用 (40) (25)
支払利息前・税引前利益  150 125
支払利息 (15) (10)
税引前利益 135 115
法人税率(40%) (54) (46)
当期純利益 81 69

当年度:150/135 = 1.11
昨年度:125/115 = 1.09

よって、財務レバレッジ(DFL)は、当年度は1.11、昨年度は1.09となります。

これは、税引前利益が100万円に対して、負債の利用度によって支払利息前・税引前利益が昨年度は109万円必要で、今年度は111万円必要となり変化していることがわかります。

財務レバレッジ(DFL)

  • 当期純利益の増減(%)/EBITの増減(%)

サンプルデータを使って計算してみます(単位:百万円)。

 当年度 昨年度
 売上高 1,800 1,400
売上原価 (1,450) (1,170)
売上総利益 350 230
販売費及び一般管理費 (160) (80)
 営業利益 190 150
その他収益・費用 (40) (25)
支払利息前・税引前利益  150 125
支払利息 (15) (10)
税引前利益 135 115
法人税率(40%) (54) (46)
当期純利益 81 69

当期純利益の増減(%) = (81 − 69)/69 = 17.39%
EBITの増減(%) = (150 − 125)/125 = 20.00%

よって、財務レバレッジ(DFL) = 17.39%/20.00% = 0.87

これは、EBITが100万円変動すると当期純利益が87万円変動することを意味します。

まとめ

経営レバレッジと財務レバレッジは、企業のおかれている状況や経営戦略や財務戦略によって異なりますが、財務分析をする上で客観的な数字や同業他社との比較に有効です。

また、固定費と負債の利用度によって両指標が変わることは覚えておく必要があります。

計算式は実務的にはググればわかるので、経営レバレッジ(DOL)は固定費の利用度、財務レバレッジ(DFL)は負債の利用度と知識として覚えておきましょう。

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