卵を一つの籠に盛るな!分散投資によるリスク低減効果は大きい

資産運用や投資においてリスク・リターンは重要なポイントです。リスクを低減しながらリターンを減少させないようにするには分散投資が効果的となります。

今、A株式会社とB株式会社の2つの株式があるとします。話を単純化するために、どちらも現在の株価は100円、1年後の株価は50%の確率で150円、残りの50%の確率で80円になるとします。

手元にある運用資金が1000円(購入株数10株で手数料等は考えない)であったとして、どのように投資を行うのが合理的になるのでしょうか。ただし、それぞれの株価は、相関していないものとする(相関効果については後述しています)。

<投資案件1>
A株式(またはB株式)に全額投資する場合の損益は、次のようになります。

150円に上昇:150円×10株−1000円=500円
80円に下落: 80円×10株−1000円=−200円

<投資案件2>
A株式とB株式に半分ずつ投資をする。この場合の損益は次のようになります。

  • A株式上昇(50%)かつB株式上昇(50%)
    • 150円×5株+150円×5株−1000円=500円
  • A株式上昇(50%)かつB株式下落(50%)
    • 150円×5株+80円×5株−1000円=150円
  • A株式下落(50%)かつB株式上昇(50%)
    • 80円×5株+150円×5株−1000円=150円
  • A株式下落(50%)かつB株式下落(50%)
    • 80円×5株+80円×5株−1000円=−200円

投資案件2では、25%の確率で500円、50%の確率で150円、残り25%の確率で−200円になることがわかります。

では、リスク回避的な投資家は、投資案件1と投資案件2のどちらを選択するのでしょうか。

まずは、期待リターンを考えてみます。

<投資案件1>
500円×50%+−200円×50%=150円

<投資案件2>
500円×25%+150円×50%+−200円×25%=150円

よって、投資案件1と投資案件2から期待されるリターンは同じとなります。

次にリスクを検討します。

一般に、リスクはリターンのバラツキとなるので、投資案件1では500円と−200円の極端な結果(バラツキの幅が大きい)しか期待リターンがありませんが、投資案件2では平均的な結果(バラツキの幅が小さい)が期待されるので、投資案件2のほうがリスクが小さいといえます。

投資案件1にように1つの資産に集中的に投資を行うのではなく、投資案件2のように多くの資産に分散投資すれば、期待リターンを下げずにリスクが下がることがわかります。

もう少し厳密に分散投資を説明すると、期待リターンを減少させることなくリスクを減少させるという効果は、「ポートフォリオの期待リターンは各株式の期待リターンの加重平均値となるが、ポートフォリオのリスクは各株式の加重平均値以下になること」といえます。

このような分散投資によるリスク低減効果は、一方の株式の株価が下落することによる損失と、他方の株式の株価が上昇することによる利益が打ち消し合うことによって生じるのです。

したがって、リスク低減効果が生じるかどうかは、2つの株式の相関関係に依存します。

  • 2つの株式の株価に正の相関関係(positive correlation)がある場合
    • この場合、どちらも株価が上昇する、またはどちらも株価が下落するのでリスク低減効果はあまり得られません。
  • 2つの株式の株価に相関関係がない(no correlation)の場合
    • この場合、2つの株式の株価はまったく関係なく動くので、リスク低減効果が得られます。
  • 2つの株式の株価に負の相関関係(negative correlation)がある場合
    • この場合、一方の株価が上昇すると他方は下落、一方の株価が下落すると他方は上昇するので、大きなリスク低減効果が得られます。