文系でも「金融工学による資産運用」は可能です(文系理系の区分が古い)

資産運用を考えている文系の人で次のような疑問を持つ人は多いです。

  • 金融工学に興味があるけれど、文系の自分でも活用することは可能なのだろうか?
  • もともと数学が苦手で文系の選択をしたけれど、資産運用に金融工学を取り入れたいなと考えている。
  • 文系でも大丈なのかな?金融工学を扱う経験談を聞いてみたい

 

このような疑問に個人的見解ですが答えます。尚、この記事での金融工学は数理的(定量的)な手法を幅広く金融工学としています。

 

 本記事の内容

  • 文系でも「金融工学の活用」は可能です【実際、文系出身者も多い】
  • 金融工学は難しいと言われる理由【文系理系の区別が古い】
  • 「金融工学は難しいのか」という定番の質問への回答

 

機関投資家として10年以上、金融工学を活用した経験がありますし、個人投資家の今でも金融工学を基にした資産運用をしています。

 

金融工学は資産運用で安定的に収益をあげたい人やリスク管理に有効な手段のひとつです。

 


金融工学に関してよく聞かれる質問

 

  • 数字に強くなくても金融工学を資産運用に活用できますか?

 

もちろん、「普通にできる」なのですが、もう少し深掘りしていこうと思います。

 

僕は理系出身ですが、経済学部、法学部なかには文学部出身者でも金融工学を駆使している人はいます。

 

そういった現実の環境も考察しつつ、解説します。

 

文系でも「金融工学による資産運用」は可能

 

理由はいくつかありますが、一番にあるのは「金融工学と言っても領域は幅広いから」です。

 

高度な数学的思考が求められるレベルと、そうではないレベルがあります。また、大きく勘違いしている人が多いですが、『高度な金融工学=圧倒的な利益が上がる』とはなりません。

 

『金融工学=数学的素養』は幻想ですが、理論を探求している人もいる

 

僕が資産配分の基礎としているのは「効率的フロンティア」ですが、エクセルの数式で簡単に構築できます。こちらの本を読めばできるようになりますよ。

 

金融工学の数式理解よりも、「効率的フロンティアから得られる結論の意味は?メリットやデメリットはなんだろう?。。。」と考えることのほうが重要です。※未来や将来シナリオまで思考する。

 

一方で、学術的に最先端の金融工学でモデル開発を探求している人たちは、どちらかというとゴリゴリの数学を使っています。

 

とは言っても、金融工学を扱う大勢の人は工学的なアプローチとしてすでに確立されているモデルを組み合わせたりして活用しており、「数学的素養が大前提で、そうじゃなきゃ無理」みたいなこともないです。

 

世の中には文系出身の金融工学を活用している投資家も多いです

 

僕の周りにも文系出身で金融工学を基にした投資家はたくさんいますね。

 

資産運用の分野でも、ミドルと呼ばれる運用計画、運用戦略、運用企画などは文系出身者が多いなという感じです。どうしてかというと、数学的素養よりも、金融工学から得られる結果から将来や未来のシナリオ描く部分が大きいからだと思いますね。

 

少し話はズレますが、ミドル部門は頭脳派が集うとも言われます。

 

文系だと金融工学が難しいと言われる理由【文系・理系は関係ない】

 

そもそも、なんで「金融工学=理系又は数学的素養が必要」となるのかを考えてみます。

 

金融工学を扱うには「大局的な視点(システム思考)」が大切だなという話

 

資産運用をする際にポートフォリオ(投資信託、ETF、個別株等々の資産配分)を構築するのですが、その方法は無限にあると言えます。

 

というのも、資産運用には絶対はなくて結果がすべてです。どんなに立派な主張でも結果が悪ければ(期待リターンを得られない、想定外の大きな損失)、最悪の場合、その後に資産運用ができなくなるかもしれません。

 

資産運用の経験が長くなると、どうしても自身の成功体験だけからのポートフォリオを構築しがちになり、残念な結果を招きます。自分の能力を過信している状態ですね。

 

経験(主観的な部分)が悪いわけじゃなくて、金融工学(客観的な部分)のアプローチも忘れてはいけなく、常に大局的な視点をもつことが大切だと感じますね。

 

経験とは相容れない金融工学的な結論になった場合、大局的な視点で折り合いをつけて判断するのが、投資家のひとつのスキルかもしれません。

 

なので、金融工学は文系とか理系ではなく、「経験(主観的)と金融工学(客観的)」を大局的な視点(システム思考)で捉えられるかであり、そもそも「文系・理系」の区分が古いというか、時代遅れで不毛な感じがしますよね。

 

数学的証明ではなく、概念(仕組み)を知ることに価値がある

 

ちょっと厳しい意見というか、個人的見解ですけど、「金融工学の知識がまったくない」というのは、資産運用をするには今後は厳しいと思います。

 

なぜなら、「金融工学のスキルが一般化している=資産運用における前提知識」となりつつあるからです。

 

とはいえ、何度も言いますが高度な金融工学を知らなければいけないのではなく、客観的な判断材料を金融工学のアプローチから得る。

 

数学的な証明ができるようになるのではなく、概念(仕組み)を理解した上で活用できるようになればば十分だと思います。

 

大切なのは、最先端の金融工学を理解するのではなく、効率的フロンティアの導出レベルを理解できる程度で十分だと考えます。効率的フロンティアの導出レベルまで理解できればその過程でかなりの基本的な定量分析関連の知識を得ることができるはずです。

 

「金融工学は難しいのか」という定番すぎる質問の回答

 

正直に言えば、「超簡単な代物ではない」が答えかなと思います。

 

先入観を持たなければ、最低限の知識は身につきます

 

金融工学は学習すれば得られるスキルですので、まずは先入観を持たずに簡単な書籍から入るのが大切です。周りに気楽に聞ける人がいれば、質問するのもいいです。

 

ただ、セミナーやスクールは前提知識がどの程度必要なのかを確認してから受講しないと無駄になりますので、注意が必要です。

 

教科書的な学習を終えたあとに、「更に学び実践(実際に資産運用に活かす)する環境」を作ると効果的かなと思います。

 

金融工学の学習結論

 

  • 書店や図書館で立ち読みして、読みやすそうな書籍を1冊購入して読み切りましょう。できればロングセラーがいいです。
  • 1回では理解できないでしょうから何度も読み直しながら、エクセルなどで手を動かすのがコツです。
  • オススメはこの書籍です。
基本的な部分を理解したら、実際に資産運用に取り入れてみましょう。

 

僕の経験談から書いていますが、後輩や同僚も同じようなパターンでスキルを身に付けています。

 

大半の人が金融工学の学習で挫折する理由

 

「金融工学は難しいと思い込み、少しわからないとやめてしまう」からですね。

 

金融工学の学習者の心理状況はこんな感じ

 

  • よ〜し、金融工学を学んでみよう。
  • う〜ん、数式がたくさんあるぞ、これをすべて理解できなければ先に進んでも駄目だろうな。
  • しかし、数式の意味さえわからんどうしたらいいんだ?数式がわからないのに活用なんてできないよなぁ〜
  • 基礎知識が足りてないからだ、数学の勉強からはじめよう。。。
  • 数学の勉強なんて続くはずもなく、終了。

 

これとまったく同じではないとしても、終了してしまう人が多いと思います。

 

大学受験や資格試験の勉強をした人ならわかると思いますが、はじめから(もしくは1度で)すべてを完璧にこなせる人はいません。

 

また、数式を理解する(証明する)必要はありません。仕組みを理解して活用できるようになればいいのです。もっと言えば、数学的な正しさを知るのは学者の方々に任せて、「数学的にはそうなるんだぁ〜」くらいで最初は良いと思います。

 

もっと深く知りたければ、それは個人の自由ですが目的は資産運用に活かすことです。数式を証明することではありません。

 

教科書だけで基礎学習しても資産運用には活かせません

 

いろいろと、話が脱線した部分もありますが、下記にまとめます。

 

  • 文系でも金融工学は身に付きます(文系理系の区分は関係ない)
  • 金融工学は幅広いので、基本的な知識だけを知っておくのでもよい
  • ロングセラーの書籍から入るのがよい
  • 基礎的な知識を得たら、実践しましょう
  • 教科書的なお勉強だけでは活用できません

 

こんな感じですね。

というわけで文系理系問わず、興味があるならどんどん基礎知識の習得を始めつつ、実践するのがよいです。

 

何でもそうですが、最初はちょっとだけしんどい部分がありますけど、すぐに基礎知識は得られると思いますので。

 

金融工学のスキルがあると資産運用の幅も広がるので、ぜひチャレンジしましょう。