債券の基本用語、時価と発行価額の決定方法、3つの発行形態とは?

株式の発行と同じく有価証券を発行して市場から大量に資金を集める方法の一つに、債券の発行があります。株式と異なっているのは、出資をしてもらうのではなく、資金を貸してもらう点にあります。

つまり、銀行などの特定の会社からではなく、市場から借り入れを行う方法なのです。このため、債券を発行した場合、発行企業は、

  • 債券の元本を返済する義務
  • 金利を支払う義務

を負います。ここで、返済日を償還日といい、償還日に返済する金額を債券の額面金額といい、証券の表面に記載されています。また、金利の支払いは、債券の額面金額に対し、発行時に決められた利率(債権者に支払われる債券利息の金額計算の基準となる利率)を掛けた額で行われます。つまり、「債券の金利=額面金額×利率」となります。

これを投資を行う立場から考えてみます。資金の提供者である債券の所有者を、債権者と呼びます。債権者としては、いったん債券を購入し、仮に売却せずに保有し続けるとすると、償還日に額面金額の返済を受け、また、利払日に利率によって計算された金利を受け取ることになります。

債権者は、額面金額の返済と利率による金利を受け取りますが、一方で購入時点では時価で債券を購入しているはずです。そこで、債券の時価がどのように決定されるのかを確認します。

債券や株式といった金融商品の価格は市場において決定されます。その決定の仕組みは、将来キャッシュ・フローとそれに求められる利回りによって説明することができます。つまり、将来キャッシュ・フローを、投資家の要求利回りで割り引くことによって、現在価値が計算されますが、それが時価になります。

これを債券にあてはめると、償還日における額面金額の受け取りと利払日における利率による金利の受け取りを、その企業に求められる利回りで割り引いた金額が時価になるということです。

なお、この割引の際に用いる利率(要求利回り)を実効利率(実効利回り)と呼びます。

この時価の決定の仕組みは、発行した後だけでなく、発行時についてもあてはあります。よって、債券の発行価額も、償還日における額面金額の受け取りと利払日における利率による金利の受け取りを、実効利率で割り引いた金額となります。

債券の発行価額は、将来キャッシュ・フローと実効利率によって決まります。その発行価額は、額面金額と等しいでしょうか、それとも大きい(小さい)でしょうか?

この大小関係は、債券利息を左右する利率と実効利率の大小関係によって決まります。具体的には、次の3つに分けられます。

  • ディスカウント発行(Discount issue)
    • 額面金額>発行価額
    • 利率<実効利率
  • パー発行(Par issue)
    • 額面金額=発行価額
    • 利率=実効利率
  • プレミアム発行(Premium issue)
    • 額面金額<発行価額
    • 利率>実効利率

なお、ディスカウント発行であれ、プレミアム発行であれ、債券を購入した者にとっての利回りが実効利率であることには変わりはありません。ディスカウント発行の場合であれば、発行価額が額面金額を下回っているため、購入した者は利率以上の利回りを獲得できるのです。

言い換えれば、購入した者にとっての利回りが実効利率に等しくなるように、額面金額よりも高い(または低い)金額で債券が発行されるのです。

債券投資家は、将来の市場金利と発行企業の信用度などの諸々の条件を考慮して投資するかどうかを決めるわけです。