予算管理システムの仕組みを利用して計画と予算と戦略を策定する

予算管理システムは、目標利益の獲得を目的として予算を用いて企業活動を管理する手法で、利益管理のための手続きと位置づけられます。

予算を長期・短期の視点で分類すると、次のように分けられます。

戦略計画(Strategic plan)

長期計画(Long-range plan) ⇔ 資本予算(Capital budget)

総合予算(Master budget)

戦略計画 長期計画 総合予算
対象期間 期間の特定なし 5年〜10年 長期計画のうちの最初の1年間
計画内容 長期的・全社的な目標を設定 生産・販売する製品、設備投資に関する計画 販売、生産、財務など、業務(部門)別の詳細な計画

戦略計画を立案するプロセスや書式には、定型的なものがあるわけではありません。正式な戦略計画を持たない企業も多く、戦略計画に含まれる要素も企業によってまちまちです。戦略計画には、たとえば、次のようなものがあります。

  • Mission(企業の価値観)やVision(企業の将来像)
  • 企業の資産・組織・外部環境の評価
  • 事業範囲
  • 達成すべき目標

総合予算を制作する形式に、ころがし予算と呼ばれる方法があります。ころがし予算では、12ヶ月分の総合予算の1ヶ月が終了するたびに、その1ヶ月を削除して将来の1ヶ月を加えていきます。決まった時期に集中しやすい予算編成作業を分散できるものの、編成作業の負担が重くなるという欠点もあります。

総合予算の役割

  1. 計画(Planning)
    • 計画とは、企業が達成しようとする目標とそれを実現するための方法を決定することです。予算は、企業全体およびその構成部分ごとに、達成目標とその実現方法を計数的に表現するものです。なお、目標の実現には様々な資源(人、モノ、金)が必要になりますから、企業が所有する資源を、各部門へどのように割り当てるのかも決定します。
  2. 調整(Coordination)
    • 予算は、各部門の活動を調整する役割を担っています。たとえば、販売部門は顧客のニーズにあわせて販売する製品の種類を増やしたいと考えるでしょう。他方、製造部門はコストを削減するためになるべく製品の種類を減らしたいと考えるかもしれません。このような部門間のギャップを調整することも、予算の役割となります。
  3. 統制(Control)
    • 統制とは、予算で示された目標を実現するため、組織の人々に計画の実行を命令し、その行動の結果得られた実績を予算と比較して差異を把握・分析し、実施者の業績を評価し、必要があれば是正措置をとることをいいます。