現在価値と将来価値と年金の違いとは?例題で学ぶ使い方

現在価値、将来価値、年金は資産運用やファイナンスを知る上での王道中の王道である考え方です。

金融商品の評価において、全ての基礎と言っても過言ではない内容です。


時間価値

時間価値とは、今日の1ドルと1年後の1ドルは等価ではなく、”今日の1ドル”>”1年後の1ドル”となることです。1年後の1ドルは今日の1ドル未満の価値になるということです。

よって、金融商品を評価する場合、時間価値を考慮してキャッシュフローを割り引くことになります。

将来の受取金額は、現在は同じ金額に満たない価値になります。その差額は、割引率によって計算された利子(または金利)だと理解できます。

現在価値(PV)と将来価値(FV)

現在価値(Present Value:PV)と将来価値(Future Value:FV)の関係は、このような表になります。

例題:現在価値を計算

ある将来価値を今日時点の価値に換算したのが現在価値です。表にある通り、金利と期間により、現在価値が決まります。

現在価値ファクター
期間 6% 8% 10%
1 0.943 0.926 0.909
2 0.890 0.857 0.826
3 0.840 0.794 0.751
4 0.792 0.735 0.683
5 0.747 0.681 0.621

3年後の1,000ドルの現在価値は、

6%で割引くと、840ドル(1,000ドル × 0.840)
8%で割引くと、794ドル(1,000ドル × 0.794)
10%で割引くと、751ドル(1,000ドル × 0.751)

となります。

例題:将来価値を計算

ある現在価値を将来時点の価値に換算したのが将来価値です。表にある通り、金利と期間により、将来価値が決まります。

将来価値ファクター
期間 6% 8% 10%
1 1.0600 1.0800 1.1000
2 1.1236 1.1664 1.2100
3 1.1910 1.2597 1.3310
4 1.2625 1.3605 1.4641
5 1.3382 1.4693 1.6105

4年後に現在1,000ドルの将来価値は、

6%の利回りで、1,262.5ドル(1,000ドル × 1.2625)
8%の利回りで、1,360.5ドル(1,000ドル × 1.3605)
10%の利回りで、1,464.1ドル(1,000ドル × 1.4641)

となります。

年金

年金とは、均等な期間に均等な金額を支払うまた受け取ることです。例えば、毎期末に10年間、1,000ドルを支払う。

年金の支払いもしくは受取りには2タイプあります。いわゆる、ordinary annuityとannuity dueです。

ordinary annuityとは、各期間の期末です。よって、現在価値にする場合は、1期目から割り引かれます。ただし、将来価値にする場合は、1期目は利息が得ることができません。

annuity dueとは、各期間の期初です。よって、現在価値にする場合は、1期目は割り引かれません。ただし、将来価値にする場合は、1期目から利息が得られます。

例題:年金の現在価値を計算

ordinary annuityの現在価値を計算するには、4年後の将来価値が1,000ドルで、10%で割引く際は、1000ドルに適切な現在価値ファクターを掛けます(1,000ドル × 3.170 = 3,170ドル)。

同じ現在価値ファクターのテーブルを使用して、annuity dueの現在価値も計算できます。この場合は、1つ少ない期間(4 – 1 = 3)の現在価値ファクターに割り引かない1期間を足して計算します。したがって、10%の4期間に支払う年金の現在価値は$ 3,487{$ 1,000×(2.487 + 1.0)}です。

1年の期間差が出るため、annuity due($ 3,487)の現在価値はordinary annuity($ 3,170)の現在価値よりも大きくなります。

現在価値ファクター
期間 6% 8% 10%
1 0.943 0.926 0.909
2 1.833 1.783 1.736
3 2.673 2.577 2.487
4 3.465 3.312 3.170
5 4.212 3.993 3.791

 

例題:年金の将来価値を計算

ordinary annuityの将来価値を計算するには、現在1,000ドルの3年後の将来価値は、6%の利回りでは、1000ドルに適切な将来価値ファクターを掛けます(1,000ドル × 3.1836 = 3,183.6ドル)。

同じ将来価値ファクターのテーブルを使用して、annuity dueの将来価値も計算できます。この場合は、1つ多い期間(3 + 1 = 4)の将来価値ファクターに利回りがない最後の1期間を引いて計算します。したがって、6%の3期間に支払う年金の将来価値は$ 3,374.6{$ 1,000×(4.3746 – 1.0)}です。

1年の期間差が出るため、annuity due($ 3,374.6)の現在価値はordinary annuity($ 3,183.6)の現在価値よりも大きくなります。

資産運用は早く初めたほうが良いということです。

将来価値ファクター
期間 6% 8% 10%
1 1.0000 1.0000 1.0000
2 2.0600 2.0800 2.1000
3 3.1836 3.2464 3.3100
4 4.3746 4.5061 4.6410
5 5.6371 5.8667 6.1051

 

正味現在価値

正味現在価値(NPV)法とは、金融商品のキャッシュフローのリターンを表します。

NPVは、金融商品の予想キャッシュフロー(キャッシュインフローとキャッシュアウトフロー)を、投資家の期待収益率である利回りで割り引きます。

金融商品が投資家の期待以上の利回りであれば、実際の収益率も高くなります。

例題:6%の期待収益率で正味キャッシュフローを割引く

仮に、下表の正味キャッシュフローを持つ投資対象(金融商品)があります。この投資対象に投資家が期待収益率6%と想定した場合の正味現在価値を計算する。

経過年数 正味キャッシュフロー 6%の現在価値ファクター 割引後キャッシュフロー
投資額   -501,000  1.00000 -501,000 
77,000 0.94340 72,642 
77,000 0.89000 68,530 
77,000 0.83962 64,651 
77,000 0.79209 60,991 
85,000 0.74726 63,517 
85,000 0.70496 59,922 
85,000 0.66506 56,530 
101,800 0.62741 63,870 
現在価値  9,653   

割引後のキャッシュフロー合計が9,653(>0)となります。

よって、キャッシュフロー上は投資家の期待収益率を超えていることになり、投資する価値のある金融商品と考えられます。